2020年1月30日木曜日

【ご報告】森の映画社・沖縄県議会取材拒否事件の証人尋問

1月24日の森の映画社・沖縄県議会取材拒否事件の証人尋問には、たくさんのみなさまに傍聴にお越しいただき、ありがとうございました。遠くは福島、関西から、また、やんばるから足を運んでいただき、ほぼ満席となった傍聴席には、本当に励まされました。

証人の新里米吉沖縄県議会議長は、森の映画社の取材を拒否した経過について、「“映画会社”からの取材申請は初めてだったので、議長が勝手に判断してはいけないと議運にかけた。しかし意見はまとまらず、議長判断に委ねられ、『先例と規則』にのっとって慎重に判断した」と話されました。
「先例と規則とは?」との問いには、「記者クラブ以外は取材を認めないこと」だと。「森の映画社の撮影を許可すれば、いろんな団体が申請してきて、議会運営に支障をきたす。議場が混乱して秩序維持が難しくなる。マスコミではないので、都合の良いところを切り取って流される懸念がある」と話されました。
森の映画社が、様々な取材実績を有する取材者で、取材拒否事件後、記者クラブに加盟もしているが、それを知っても、当時の判断は正しかったと思うかとの質問にも、「正しかった」と話されました。


原告の藤本監督は、
1)ドキュメンタリーは報道の重要な部分を成すものであること
2)国際的な取材のスタンダードは「許可制」ではなく「登録制」であること
3)森の映画社はこれまで、アメリカの海兵隊の取材でも、アメリカのジャーナリストビサの発給を受け、国防総省の許可を受けていること、IAEAと外務省が主催し、各国の大臣らが参加した福島国際閣僚会議の取材でも、記者章を得て取材してきたこと
4)沖縄県でも、安倍首相が出席する慰霊の日、知事と防衛大臣、官房長官との会談など、沖縄県議会以外、すべて取材してきたこと
5)日本の多くの地方議会で記者クラブ以外の取材を簡易な手続きで認めていること等、証言しました。

県議会に取材拒否された後、森の映画社は沖縄県政記者クラブ、沖縄県議会記者クラブに加盟社14社のうち12社の賛成を得て加盟しました。15年にわたる沖縄での取材活動が評価されてのことと思います。現場で森の映画社の取材の様子を取材される方はみな、よく知っているからです。
現在は、沖縄県議会の本会議も委員会も自由に撮影することができますが、それでも訴訟を続ける理由は?と聞かれて原告の藤本監督は、「森の映画社だけが取材できればよいのではない。日本やアメリカを相手にたたかう沖縄県、沖縄県議会が、もっと開かれた場所になり、沖縄の声をもっと広く伝えてほしいと願っている」と話しました。

2017年7月に取材申請をした際、県議会には申請する書式もなく、定まった申請方法もありませんでした。森の映画社の取材実績も問われず、また、取材にあたっての確認事項・禁止事項などの説明も一切ありませんでした。私たちの取材拒否事件以降も、記者クラブ非加盟の取材者が「記者クラブ以外認めない」との理由で、本会議の取材を拒否されています。

裁判は、次回、3月の期日で結審となります。

判決まで、その結果は分かりませんが、たくさんの関心と応援を寄せていただいたみなさま、ありがとうございます。

引き続き、どうぞ関心を寄せていただきますよう、よろしくお願いいたします!

2020年1月17日金曜日

森の映画社・沖縄県議会取材拒否事件 証人尋問のお知らせ(1月24日 那覇地裁)

森の映画社の映画を応援して下さっているみなさまへ

2020年もどうぞよろしくお願いいたします。

2017年に森の映画社が沖縄県議会の取材を拒否された事件はご記憶のでしょうか。辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟の提起が県議会の議案となった際、私たちの取材申請が拒否された事件です。

2017年8月に提訴した裁判で、ようやく1月24日に那覇地裁で13:30から証人尋問が開かれることになりました。証人は、取材を拒否した新里米吉沖縄県議会議長と原告の藤本幸久監督(森の映画社)です。

多くのみなさまに、傍聴に来ていただきたいと願っています。


私たちは議会事務局を通じて、本会議の当日まで、何度も議長に翻意を求めましたが、許可されず、不許可の理由も一切、示されませんでした。憲法で保障された国民の知る権利、報道・取材の自由、表現の自由の 重大な 侵害です。沖縄県議会記者クラブ加盟社にのみ自由な取材を認め、それ以外の者には理由も示さず取材を拒否することは、差別と考えます。

2017 年 8 月の提訴以来、沖縄県が一貫して主張していることは「森の映画社は記者クラブに所属していない」「報道機関ではない」ので、取材・報道の自由を認める必要がない」ということです。森の映画社が記者クラブに準加盟した後も、「準会員は正会員より能力と資質に劣る」と何の根拠も示さず主張しています。

和解の提案も県側は拒否、「なぜ、取材を拒否したのか」の理由と経過は、今も明らかにされません。今回の証人尋問で明らかになること願っています。

知事や沖縄県民の意志が反映される沖縄県と県議会であるよう、 私たちも願っています。
多くのみなさまに、この裁判の行方に関心を持っていただけたら幸いです。

証人尋問は1月24日(金)13:30~ですが、傍聴券が抽選となるため、傍聴希望の方は、恐れ入りますが、12時55分から13時10分までに102号法廷にお越しください。

どうぞよろしくお願いいたします。

森の映画社
藤本幸久(原告)
影山あさ子